こんにちは、アキです。今日は運動学習についてお話ししたいと思います。
リハビリテーションにおける治療の一つに運動学習というものがあります。
具体的には、障害によってできなくなった運動を再びできるようにする場合や、間違った方法で運動を行っていたために腰痛などの症状が現れた場合、その間違った方法を修正し正しい運動を身につける場合に用いられています。
簡単に言えば、運動学習とは動作を一つの技能として習得していくことをいいます。
運動学習における段階は次の3つに分類されています。
1.認知
意識的な運動のコントロールが強い
実行に時間がかかる
実行中の失敗が多い
視覚や聴覚といった情報によるサポートが必要
2.協調・統合
何度もその運動を繰り返すことが多くなる時期
意識的な運動のコントロールはあるが、失敗が少なく、より効率的な動きになってくる
3.自動化
意識的なコントロールは少ない
失敗も少なく、かつ速いテンポで行うことができる
この自動化に達した段階が「運動技能を習得した」段階と捉えられています。
どうですか、ダンスの練習に似ていますね。
また、運動学習には潜在学習と顕在学習の2つの学習方法があります。
潜在学習は、学習者が意識することなく、視覚や深部感覚などの内在的フィードバックに基づいて行う学習方法です。いわゆる「模倣」がこれにあたります。
顕在学習は、運動手順などの外在的フィードバックに基づき、学習者が意識的に課題を反復する学習方法になります。
本人が運動の過程に関心を持ち、技能に対する知識や望ましい動きの指導を得ながら学習していくというものになります。
多くの運動学習では潜在学習が行われていますが、この学習では、実際に本人がどのような運動を行ったのか説明できません。
これは、運動を無意識に行っているためです。より複雑な運動を学習していくには、顕在学習を行うことが重要だとされています。
しかし、顕在学習は、適応は早いが忘れるのも早い、逆に潜在学習は、適応は遅いが忘れるのも遅いという特徴があるのです。
両者の学習方法ともに利点と欠点があるため、どちらか一方の学習方法よりも、各々の特性を活かすことで学習効果はより高まっていくそうです。
一般的には、運動学習の初期には顕在学習を多めに、運動学習が進んできたら潜在学習を増やしていく手法がとられています。
ダンスの練習にも、こういう考え方を理解し実践していけば、上達が早くなると思います。